源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
それゆけ結婚
無題

それゆけ結婚

森村桂【著】
角川書店(角川文庫)刊
1976(昭和51)年10月発行

先達て、女優でタレントの村井美樹さん(37)が遂に結婚報告をいたしました。ソレ誰?と訝しがる人がゐるかも知れませんが、ここではスルーします。それで熱心なファンは祝福をしつつも意気消沈。またもや「美樹ロス」などと称する人も続出。別段彼女は引退する訳ではないのに。
面白いのは、村井さんのブログ読者数が、結婚報告後にぐわつと減つてゐることです。わざわざ読者登録を取り消すとは、随分屈折してゐる喃と苦笑するのでした。

といふ訳で、実に強引ながら『それゆけ結婚』。当時結婚してまだ数年の森村桂が、読者に向けて恋愛・結婚のアドヴァイスをいたします。昭和40年代くらゐでせうか。「女の幸せは結婚」などと言はれてゐた時代であります。
24歳は売れ残り」「家付きカー付きババ抜き」「一流大卒、一流会社勤務、月給4万円以上、175cm以上の次男」「花嫁修業」「わがダンナさま」......まだまだ女性は男性に従属して生きるのが当り前の頃。現代の女性が読めば激怒するかも知れません。あるいは「これは何処の国の話ですか」などと真顔で聞いたりして。

本書の時代背景としては、恋愛結婚がお見合い結婚を逆転した頃でせうか。とは言つても、本書にも度度「お節介」が登場しますが、出会ひの機会がない人でも男女問はずどこからか相手が見つかつたものであります。今から思へばまだまだ恵まれた時代。例へば1965(昭和40)年における生涯未婚率は男性1.50%、女性2.53%であつたのに対し、これが2010(平成22)年になると男性20.14%、女性10.61%まで膨れ上がつてゐます(国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2014)」)。
ただ、『それゆけ結婚』の時代はやはり男尊女卑思想が蔓延り、肝心の女性自身がそれに甘んじてゐる様子が見てとれます。森村桂さん本人まで、暴君でもダンナさまに甘えてゐた方が楽だわ、みたいな雰囲気を醸し出してゐます。何てこつたい。

森村さんのアドヴァイスの中には、現在にも通用する部分は少なからずあるとは存じますが、それ以上に違和感を感じる部分が多い。現代女性が読むならば、本書は当時の婚活事情を知る資料として興味深いのではないでせうか。



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