源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
蕎麦ときしめん
蕎麦ときしめん (講談社文庫)蕎麦ときしめん (講談社文庫)
(1989/10/06)
清水 義範

商品詳細を見る

蕎麦ときしめん
清水義範【著】
講談社(講談社文庫)刊
1989(平成元)年10月発行


また新しい年がやつてまゐりました。おめでたうございます。
ところで大晦日には、珍しく酒を随分と飲んでしまひ、知らぬ間に寝てしまつたのであります。
家人も起してくれればいいのに、放置されてそのまま年を越すといふ間抜けな事態に陥つたのでした。
食べる予定の蕎麦もそのまま。これを元日に食べるのは切ないものです。ようするに年越しに失敗した男がここにゐるといふ訳。

ついでに言ふと、初夢も気持ち悪いものでした。即ち。
近所の幹線国道を歩いてゐますと、猫の死骸が路上に。車に轢かれたばかりと思はれます。ひよつとしたら息があるかも知れません。しかしあの場所は危険だ。
と思ふ間もなく、高速で突つ込んで来る車。「ぶちゆ」と音をたてて、一瞬で猫はぺちやんこになりました。
あはてて目を逸らしましたが、手遅れでした。「ああ嫌なものを見た」と慨嘆してゐたら目が覚めました。うむ。

そこで正月に相応しい清水義範氏の作品を引つ張り出す。
表題作『蕎麦ときしめん』は名古屋論のパスティーシュと言はれてゐます。東海三県(愛知・岐阜・三重の三県のこと。静岡は含まれない)の人以外には少しハアドルが高いかもしれません。この内容を真に受ける人が出る心配がありますな。一応、鈴木雄一郎なる東京人が書いた名古屋論を清水氏が紹介する、といふ体裁です。

ほかに五篇の短篇が収録されてゐます。中でも『序文』はわたくし好みであります。序文をつなげて小説にしてしまふとは、力業ですね。最後のオチは笑へますが、吉原源三郎氏には同情を禁じえないのであります。
そして、『蕎麦ときしめん』の完結篇(?)、『きしめんの逆襲』では、やうやく探し当てた鈴木雄一郎氏と対面がかなひます。その鈴木氏とは...

とまあ、嫌なことも忘れて、晴れ晴れとする読後の一冊です。名古屋人以外でも愉しめるでせう。たぶん。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://genjigawa.blog.fc2.com/tb.php/74-5dc4ca63
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック