源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
イヴ・モンタン ある男の歌


イヴ・モンタン ある男の歌
リシャール・カナヴォ/アンリ・キクレ【著】
長塚隆二【訳】
早川書房刊
1982(昭和57)年10月発行


1981年、イヴ・モンタンが13年の沈黙を破つてオランピア劇場に立つた時、世界中の注目を浴びたのであります。便乗して関連図書も多く出ましたが、中でも本書は本格評伝として出色のものと申せませう。
400ペイジ超の大作力作。1800円。
32年前に1800円する本といへば、専門書を除くとあまりありませんでした。まあ早川書房は全般に定価を高目に設定してゐましたが。

序盤で彼の生ひ立ちを手際よく紹介し、その後のシャンソン歌手、映画俳優、社会活動家としてのそれぞれの面を考察してゐます。
還暦(当時)を迎へ、なほ世界の人々を魅了するイヴ・モンタンとはいかなる人間性を持つ存在なのか、夥しい数の人々から証言を得てゐます。

訳者の長塚隆二氏も述べてゐますが、今では俳優としてのモンタンに魅力を感ずる人が多いやうですね。彼のシャンソンはレコードではなく、ステージ上にてその真価を発揮するといはれてゐます。「目で見て愉しむシャンソン」と呼ばれる所以であります。さういへば、初期には「手で歌ふ男」などとも称されてゐました。

わたくしが愚考しますに、やはり映画の方により深みを感じるのであります。 『Z』なんて最高でしたね。出番は前半だけでしたが。初期の『恐怖の報酬』は、優れたサスペンス映画で、多くの亜流を生みました。
本書の難点は、入手が容易ではない、といふことでせうか...



ところで、佐藤允さんも逝つてしまひましたね。岡本喜八監督との相性が抜群の俳優でした。
『独立愚連隊』では、日本映画には珍しいタイプの陽性のヒーローを演じてゐて、まことにカッコイイのであります。
ちなみにこの映画には三船敏郎さんがチョイ役でキ○ガイの役を演じてゐて仰天しました。世界のミフネにこんな役をさせるとは、黒澤監督でも思ひつくまい。

訃報を知つたのが朝刊の片隅なのです。扱ひが小さすぎるぞ、と不満たらたらであります。不満を晴らすためにも、恒例の追悼上映を敢行するのです。
トップバッターは無論『独立愚連隊』...

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イヴ・モンタン―ある男の歌イヴ・モンタン―ある男の歌
(1982/10)
リシャール・カナヴォ、アンリ・キクレ 他

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