源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
箱男
箱男 (新潮文庫)箱男 (新潮文庫)
(2005/05)
安部 公房

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箱男
安部公房【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1982(昭和57)年10月発行
2005(平成17)年5月改版


1月22日、安部公房の命日だなと思ひ本書を取り上げてみたのですが、たちまち一ヶ月経過してゐました。
更新も久しぶり。その間に読んだ本が溜まつてしまつた。

『箱男』。いやあ素晴らしい。安部公房氏の作品の中では、『砂の女』『燃えつきた地図』と並んで、他者に自信をもつて推薦することを逡巡しないものであります。むろん他にも好きな作品は多いですが。

箱の中に入つた男は、何を見るのでせうか。自分も箱に入りたい誘惑にかられるのであります。
さういへば、箱研修といふものを思ひ出しますなあ。やはりこの現代社会では、特に人間関係においては「箱」に入つてゐる状態は心地好いものです。
それをインストラクタアは、「箱から出よ」と受講者を諭すのであります。箱から出ることで、今まで見えなかつたものが見える。
しかし同時に箱の中の世界を失ふのは、一種の恐怖に近いものがあります。箱から覗くことで解る事実もあるでせう。

この小説には、さういふ心地良さと恐怖が同居してゐると申せませう。

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