源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
津山三十人殺し
津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)
(2005/10)
筑波 昭

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津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇
筑波昭【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2005(平成17)年10月発行


昭和13年に起きた、津山事件。
その事件が発生したのは、岡山県苫田郡西加茂村といふ土地で、津山市ではないのですが「津山事件」と称されてゐます。(現在は津山市に編入されてゐる)

事件の梗概としては、都井睦雄なる無職男(今風にいへばニートか)が、一夜のうちに30人もの生命を奪ひ、最後に自ら命を絶つたといふものであります。
手口は荒つぽい。日本刀と猟銃での犯行であります。これほどの短時間で30人もの殺人を犯したといふ例は世界でも類を見ないのです。
犯人が自害してしまつたことで、事件の全容を解明するのにかなり時間がかかつたといふことです。否、今でも謎の部分は残つてゐます。証言をする関係者は、死人に口無しで自分に都合の悪いことは隠蔽しますからね。まあ、人間の性と申しませうか。

二部構成となつてゐて、第一部は事件当時の記事、論評を中心にその経緯を再現します。第二部は犯人都井の生ひ立ちを一年ごとになぞつていきます。極力主観を交へずに、丹念に資料・証言を追ふのでした。
難点を申せば、各種資料を引用する際に、それが地の文章と一見して区別がつき難いのであります。ちよつと苛苛しますね。

意外だつたのは、当時はこの事件に関しては報道管制が敷かれてゐたといふのは間違ひであつたといふこと。新聞各社を中心に、ばんばん記事になつてゐたのです。ゆゑに全国に知られてゐたはずだと。事件の内容が内容だけに、口にするのも憚られる空気があつたのでせうか。

それにしても読めば読むほど、犯人の心理は解らなくなります。人一人を殺すだけでも恐ろしすぎる所業であるのに、次から次へと...この異常なエネルギーは何なのか。いかなる理由を拵へても、常人には理解出来ぬものでありませう。

流石に読後感は重い。

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