源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
歌謡曲の時代
歌謡曲の時代―歌もよう人もよう (新潮文庫)歌謡曲の時代―歌もよう人もよう (新潮文庫)
(2007/11)
阿久 悠

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歌謡曲の時代―歌もよう人もよう
阿久悠【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2007(平成19)年11月発行


阿久悠さんは作詞家として、真のプロフェッショナルであるとの思ひを抱いてゐましたが、本書を読んでそれは確信に変つたのであります。
その根底にあるのは、「歌謡曲」といふ昭和を象徴するジャンルを支へてきた自負でせうか。
歌謡曲は時代を喰ひ、時代と人に妖気を吹き付ける妖怪であると阿久さんは述べます。そして歌謡曲のない時代(つまり平成年代)は不幸な時代であると。
その歌謡曲の再生と復活を願ひ、本書は誕生したといふことです。

99編のエッセイが収められてゐます。タイトルはすべて、阿久さんが生み出した作品のタイトルとなつてゐて、改めて怪物的なヒットメーカーであつたことが分かるのであります。
歌謡曲は大衆に寄り添うものですが、媚びるべきではないと主張します。
プロの作家はプロらしい歌を作り、プロ歌手は素人の真似の出来ない歌唱で大衆を唸らせる。これこそが歌謡曲だといふのでせう。
確かに、カラオケがすつかり定着した今では、演歌歌手も新曲を披露する時に「歌ひやすいのでカラオケでぜひ歌つてください」などと訴へる。商売的にはその方が良いのでせうが...

標を失ひ、迷走を続ける日本人への、辛口メッセージが詰まつてゐます。
今は恵まれた世の中になつて、過去の歌謡曲が容易に聴けます。そのたびに、「歌謡曲よ、今君は何処にゐるのだ?」などと問ひたくなり、失つたものは多いなあと感ずるのでした。

...今夜も寝る時間になりました。ご無礼します。

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