源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
百鬼園随筆
百鬼園随筆 (新潮文庫)百鬼園随筆 (新潮文庫)
(2002/04/25)
内田 百けん

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百鬼園随筆
内田百閒【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2002(平成14)年4月発行


いいですねえ、内田百閒。
随筆と謳つてゐますが、創作集として読みました。実話が元になつてゐるだらうと思ふものの、第一級の小説作品だと感じてをります。
冒頭の「短章二十二篇」が素晴しい。単に我儘で自己中心的な人物には書けぬ逸品と申せませう。研ぎ澄まされた五感を遺憾なく駆使し、読者にご馳走を提供してゐます。
「ヨーヨー」に「揺揺」なる漢字があるとは知りませんでしたな。ふふ。

「貧乏五色揚」では、専ら借金の話であります。この人の金銭感覚はわたくし共凡人とはかけ離れてゐるため、周囲が通俗的な助言をしても一向に改善の兆しは見られません。
さういへば『阿房列車』でも、無用の汽車旅をするために、わざわざ借金の申し込みをしてゐました。

「七草雑炊」の作品群では、作者のユウモワセンスが炸裂してゐます。これらの作品群を読んで、クスリともしない人がゐるなら、残念な人と申せませう。わたくしは声を出して笑つてしまつた。
本心よりお勧めの一冊と述べることにします。
惜しむらくは、本来の表記(いはゆる歴史的仮名遣ひ)で収録されてゐる旺文社文庫版が好いのですが、中中入手が容易ではないので、新表記の新潮文庫版をあげときます。ちよつと口惜しい。

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